世界の人口のうちの約0.25%しかいないユダヤ人ですが、ノーベル賞受賞者の約20%がユダヤ人であり、世界長者番付でも上位にはユダヤ人が多くいます。
そんな優秀なユダヤ人の根幹を作っていると言われているのが『タルムード』という書物で、タルムードの中にはお金や人生に関する哲学を学べる小噺が多数存在します。
今回はタルムードの中から『難破船の3人の乗客』というお話を紹介します。
前回の『魔法のザクロ』に続き、タルムードシリーズ第3弾です。
なお、タルムードはヘブライ語で書かれたもののみを聖典としているため、他の言語に翻訳されたものについては一部誤訳が入っている可能性があります。
今回の記事では日本語に翻訳された書籍である「ユダヤ人の成功哲学『タルムード』金言集」をもとに要約解説していきます。
あらかじめご了承ください。
難破船の3人の乗客
ある時、3人の乗客を乗せた帆船が嵐にあって難破した。
流れ着いたのは、フルーツがたくさん実る島でした。
船はその島で修理をしてから出航することとなりました。
乗客のうちの一人は、いつ船が出航してしまうかわからないため、取り残されないように船から一歩も降りなかった。
嵐にあい何日も空腹だったが、取り残される心配の方が大きく空腹を我慢した。
2人目の乗客は船を降りたが、船が見える範囲にあるフルーツを食べ、船の修理が終わりそうになると戻ってきた。
お腹いっぱい食べることはできなかったが、フルーツで少しお腹を満たし水分も補給できた。
3人目の乗客は船の修理などそんなに早く終わらないだろうと思い、島の中まで入っていってたくさん実っているフルーツをたらふく食べた。
船は見えなかったがまだ大丈夫とフルーツを食べ続けた結果、食べ終わって戻る頃には船は出航し島に取り残されてしまった。
取り残された乗客は無人島から脱出できずに一生を終えた。
一方で船を降りなかった乗客も、その後の航海に耐えられず命を落としてしまった。
難破船の3人の乗客から学ぶこと
このお話は、適正なリスクを考えて行動することを教えてくれる物語です。
空腹のリスクを考えられず島に取り残されることを心配しすぎた乗客も、楽観的に考えすぎて取り残されるリスクを考えなかった乗客も、どちらも取り返しのつかない状態になってしまいました。
何かをするときはリスクが発生する場合がありますが、リスクを取る際は大中小に分類して対処することが大切です。
このお話ではどちらのリスクも頭に入れて適正なリスクをとった乗客だけが生き延びることができました。
慎重になりすぎても何も成果が出ませんし、何も考えず大胆になりすぎるとそれだけ失敗した時も大きな失敗となってしまいます。
私自身も何か新しいことを始める時は、リスクを考えて小さな一歩からスタートするようにしています。
仕事のプロジェクトもそうですが、わかりやすいのは投資です。
初めて投資をするとなった時は、NISA制度を利用して少額からスタートしました。
またリスク管理は始めだけではなく、NISAであれば徐々に積み立て金額を見直してあげていくなど、適正なリスク自体も調整していくことが大切です。
タルムードの物語の考え方
このようなタルムードの小噺を読んでいると結構ツッコミどころが多いように感じます。
それはタルムードの物語は母親が自身の子供に対して読み聞かせ、子供の思考を育むために使われるためであって、必ずしも物語の中の成功者の真似をする必要はありません。
今回の物語では3人の乗客がいて3パターンの行動をとりましたが、例えば船長と交渉して自分が戻るまで出航を待ってもらうなど、4つ目以降のパターンも人それぞれあるかと思います。
自分がその状況に置かれた場合どうするのか?を考えることが人生の選択肢を増やすきっかけとなります。
ということで今回タルムードシリーズ第3弾となる『難破船と3人の乗客』をご紹介しました。
「ユダヤ人の成功哲学『タルムード』金言集」には他にもお金や人生における物語がいくつか紹介されています。
どれもためになるものばかりなので、ぜひ読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!