世界の人口のうちの約0.25%しかいないユダヤ人ですが、ノーベル賞受賞者の約20%がユダヤ人であり、世界長者番付でも上位にはユダヤ人が多くいます。
そんな優秀なユダヤ人の根幹を作っていると言われているのが『タルムード』という書物で、タルムードの中にはお金や人生に関する哲学を学べる小噺が多数存在します。
今回はタルムードの中から『母鳥と3羽のヒナ』というお話を紹介します。
前回の『正直な仕立て屋』に続き、タルムードシリーズ第7弾です。
なお、タルムードはヘブライ語で書かれたもののみを聖典としているため、他の言語に翻訳されたものについては一部誤訳が入っている可能性があります。
今回の記事では日本語に翻訳された書籍である「ユダヤ人の成功哲学『タルムード』金言集」をもとに要約解説していきます。
あらかじめご了承ください。
母鳥と3羽のヒナ
鳥の巣が大嵐に巻き込まれ、このままでは巣もろとも3羽のヒナも地上に落下してしまう危険が迫っていた。
母鳥は海を渡って安全な岸にヒナたちを避難させようと思ったが、大雨と強風の中で3羽をまとめて運ぶことはできないと考え、1羽ずつ運ぶことにした。
最初の1羽を運んでいる途中で母鳥はヒナに尋ねた。
「子供よ、私は命懸けでお前を助けようとしているが、お前はその代わりに何をしてくれるのかい?」
すると子供は、
「お母さん、こんな嵐の中でそんなことを考えている余裕なんかありません。とにかく私を安全なところに運んでくださいな。」
と言いそれを聞いた母鳥はパッと子供を海に落としてしまった。
母鳥は巣に戻ると次のヒナをくわえてまた岸へと飛び立った。
そして次のヒナにも同じことを聞いた。
2番目のヒナは、
「お母さん、まずは私を安全なところに運んでください。そうすれば私は必ず毎日食料を運んできて恩返しします。」
と言いそれを聞いた母鳥はまたパッと子供を海に落としてしまった。
母鳥はまた巣に戻ると最後のヒナをくわえてまた岸へと飛び立った。
そして最後のヒナにも同じことを聞いた。
最後のヒナは、
「お母さん、私はお母さんが私にしてくれたことを必ず私の子供にもするつもりです。」
と言い、母鳥はこのヒナを無事に安全な岸へと運びました。
母鳥と3羽のヒナから学ぶこと
教育とは、『教育することを教育すること』というのが、ユダヤ式教育の真髄だと言われています。
その教えを表したのがこのお話とのことですが、教育の残酷な部分を感じざるを得ない内容となっていますね。
先人の教えを後世に伝えるためにあえて印象的な内容にしてあるのだとか、、、
自分の人生を精一杯に生きて、次の世代に受け継ぐことが意義のあることだと考えさせられる教えですが、私を含め多くの日本人の若者は結婚に対して消極的です。
自分の子供だけでなくとも、次の世代に何かを残せる道を模索していく必要があると感じるお話でした。
ということで今回タルムードシリーズ第7弾となる『母鳥と3羽のヒナ』をご紹介しました。
「ユダヤ人の成功哲学『タルムード』金言集」には他にもお金や人生における物語がいくつか紹介されています。
どれもためになるものばかりなので、ぜひ読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!